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スロージョギングのフォアフット着地!ふくらはぎ肥大の理由と対策

スロージョギング

スロージョギングではフォアフット着地でトレーニングします。初めてフォアフット着地を経験されると「ふくらはぎが太くなった」という方がいます。
フォアフット着地でふくらはぎが肥大する原因と対策についてお伝えします。

フォアフットで走るとふくらはぎが太くなる?

ふくらはぎの筋肉は2種類あります。ヒラメ筋腓腹筋です。ヒラメ筋の方が深部にあり、その上に腓腹筋が覆っています。ヒラメ筋は遅筋腓腹筋は速筋の割合が高くなっています。遅筋には毛細血管が通っており赤くみえることから赤筋とも言われます。速筋は白筋です。

ヒラメ筋 遅筋 収縮速度が遅い 持久力ある
腓腹筋 速筋 収縮速度が速い 持久力ない

遅筋はトレーニングをしても筋肉が肥大することは少なく、乳酸をエネルギー源として取り込む働きをもつミトコンドリアの量が増えます。

速筋はトレーニングで負荷をかけることで筋繊維が損傷しその回復の結果、筋肉が肥大します。

https://tr.wikipedia.org

ふくらはぎ(腓腹筋)肥大の理由

ヒラメ筋は腓骨の上部とアキレス腱に付き足関節だけに作用する単関節筋です。腓腹筋は大腿骨とアキレス腱にまたがり、膝関節と足関節に作用する二関節筋です。

腓腹筋は膝を曲げた状態でかかとを上げる運動では筋肉を収縮させることが出来ません。

膝を曲げた状態のつま先立ちではヒラメ筋が作用します。

スロージョギングでフォアフット着地でふくらはぎが太くなる理由として腓腹筋の肥大が原因としてあげられます。

ヒラメ筋は遅筋でありトレーニングしても肥大しません。ふくらはぎが太くなるのは腓腹筋の肥大が原因です。フォアフット着地で腓腹筋が鍛えられ肥大するのはホッピング理論に基づいた良いフォームになっている証拠です。

前足部が着地した際に重心がしっかり乗っているフォームです。
正しいフォームでの腓腹筋の肥大は心配することはありません。

スピードの上昇などパフォーマンス向上につながります。

ふくらはぎが痛くなる原因とその対策

フォアフット走法でヒラメ筋が酷使される場合があります。

ヒラメ筋は日常生活でも酷使されています。

フォアフット着地で接地時から地面の反力を得るまで膝を曲げたままのスロージョギングはヒラメ筋を非常に酷使することになり、ふくらはぎの痛みを誘発します。

着地時には軽く膝が曲がり、接地した瞬間に膝が伸びるのが正しいランニングフォームです。

フォアフット着地では重心移動をスムーズにして走るためにも、接地した後に膝が極端に曲がっていないかのチェックが大切です。

自分のランニングフォームを動画撮影し、極端に膝が曲がっていないかをチェックしてみましょう。

スロージョギングとは

福岡大学スポーツ科学部の田中宏暁(たなかひろあき)教授が提唱している、時速4km~5kmという非常にゆっくりとしたスピードで走るランニングのことです。

(時速4~5kmというのは運動経験のない方が最初に走り出すスピードです。運動時における筋肉が産出する疲労物質の乳酸は肝臓で処理されます。その処理能力は運動を継続することで向上します。つまり、筋肉疲労しにくい体となります。そうした状態になると楽に時速6km以上で走ることが可能になります。

1989年、厚生省(当時)において、スロージョギングの運動効果は国民向け健康維持データ算出の根拠として採用され、1995年にはアメリカ医学界において運動療法として、その効用が認められました。

2009年NHK番組「ためしてガッテン」で紹介され全国に愛好家が急増しています。

場所や時間に限定されずに、いつでもどこでも誰でもできる運動です。

運動のしやすさから健康増進や減量効果が期待され、注目されています。

ウォーキングとスロージョギングは使う筋肉が違う

ウォーキングは有酸素運動であり心肺機能の向上が見込めます。しかし、大殿筋大腿四頭筋大腰筋などを効果的に強化することはできません。これらの筋肉は「走る」ことによって維持、向上が見込めます。

スロージョギングはウォーキングと違って大殿筋(お尻の筋肉)や大腿四頭筋(太もも)などの大きな筋肉を使います。大腰筋は腰椎と大腿骨をつなぐ体の深い部分にある筋肉です。足の引き上げや姿勢の維持などで使われインナーマッスルと言われています。

大腰筋 https://zh.wikipedia.org

フォアフット着地とは

スロージョギング提唱者の田中教授はフォアフット着地を薦めています。フォアフット着地とは「足指の付け根」の部分を指します。従来の「かかとから着地し、親指の付け根で蹴る」といった走りではなく

身体を一本の電信柱と意識し、それが斜めに倒れる状態をイメージ

(賢く走るフルマラソン 田中宏暁 ランナーズ より)

「着地では接地点と胴体と頭が一直線になる」「上半身を先行させ地面からの反力を得る」といったランニングフォームです。

フォアフット着地は接地する位置を「かかと」とから「足指の付け根」に変えることで「地面を蹴る」という日本陸上界のトップランナーの意識を変えました。地面を蹴ることを強く意識すると「脚が後ろに流れる」状態になります。世界のトップランナーの走りを分析すると「地面を蹴る」のではなく、フォアフット着地で接地し「体重を乗せる」ことで脚を素早く前方へ振り上げていることがわかりました。

世界最速といわれたボルト選手の走りがそうです。こうした走り方を「ホッピング理論に基づいたランニングフォーム」といいます。

フォアフット着地による走り方(フォアフット走法)はこのホッピング理論を採用しています。

http://www.publicdomainpictures.net

フォアフット走法とつま先走りは違う!

フォアフット走法はよく「つま先走り」と表現されます。「つま先着地」=「フォアフット着地」ですが、フォアフット走法はつま先走りではありません。

足の骨格を3分割した場合、前足部・中足部・後足部に分けられます。骨格的に前足部は1/2以上大きな比率を占めています。前足部で着地することで親指から小指が広がり衝撃を吸収します。また足裏には脂肪があり衝撃吸収の役目をしています。

スロージョギングによるフォアフット着地で体重を乗せた状態とは「頭」「腰」「膝」「前足部」が一直線で進行方向にやや前傾した状態を言います。

こうした「フォアフット着地で体重を乗せた状態」では、ふくらはぎ、アキレス腱をバネのようにして効率よく走ることが可能になります。

アキレス腱は、かかとをつけない着地(前足部着地)では強制的に引き伸ばされます。強制的に引き伸ばされた腱は反射的に縮もうとします。その働きは腓腹筋を引き伸ばします。急に引き伸ばされた筋肉は縮もうとします。(筋肉の伸張反射

腓腹筋が縮むと足底が屈曲します。(結果として足首が地面を蹴った状態になります。)

フォアフット着地で正しいフォームで走ることにより、意識しなくても地面を蹴り、なおかつハムストリングス(太ももの裏面の筋肉の総称)の伸長・収縮による前脚の振り上げがスムースになり効果的な推進力が得られます。

このようにアキレス腱のバネ効果と腓腹筋の伸張反射、ハムストリングスの伸張・収縮を活用した走りがスロージョギングにおける正しいフォアフット走法です。

ホッピング理論に基づいたフォアフット走法は、ふくらはぎ(腓腹筋)とアキレス腱の伸長をうまく利用して走ります。

前足部だけを着地し、ふくらはぎとアキレス腱の伸長をうまく利用しない走りが「つま先走り」です。こうした「つま先走り」はふくらはぎなどに過度の負担をかけ、筋肉痛の原因となります。

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フォアフット着地のコツ(まとめ)

身体を一本の電信柱と意識し、それが斜めに倒れる状態をイメージする。

着地では接地点と胴体と頭が一直線になる(着地では軽く膝は曲がる)

上半身を先行させ地面からの反力を得る

フォアフット着地では体重を載せて走るためにも、接地した後に膝が極端に曲がったままでないかのチェックをする。

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