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持久走のコツは?体力を温存して楽しく走る方法

ランニング

 

例年1月から2月にかけては学校教育における体育の内容は持久走です。

長年、持久走の指導を行ってきた筆者が持久走のコツについてお伝えします。

持久走がキツイ・つらい・苦しいのはなぜ?

持久走が嫌いな理由として「キツイ」「つらい」「苦しい」という体験をしている方が圧倒的に多いと思います。それが持久走を嫌いにしている理由の大半を占めています。
持久走=長い距離を、「キツイ」「つらい」「苦しい」のを我慢して走る。
「キツイ」「つらい」「苦しい」イメージを過去体験から持ち続けて走るのでしんどいのです。

ではなぜ、持久走は「キツイ」「つらい」「苦しい」のでしょうか?

私自身、中学一年の体育祭での体験です。
1500mに出場しました。
当時は野球部。
それなりに体は動かしており、「なんとかなるじゃろ」的な考えで出場しました。

ヨーイ!スタート。
100m~200m走りました。先頭です。

その後、とても息が苦しくなり、ヨレヨレで最下位でのゴール。
とても、恥ずかしい思い出です。(野球部先輩からは、何しょうるんならと、野次も受けました。)
どうして?こういう結果になったのでしょうか。
そこには運動生理学的な当然な理由がありました。

無酸素運動・有酸素運動とグリコーゲンと酸素の関係

運動とは筋肉を収縮させ、脚や腕などの骨格を動作することです。筋肉を収縮させるためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)といわれる物質です。

ダッシュなど急激な運動は無酸素運動といわれます。

楽なペースのランニングやウォーキングは有酸素運動といわれます。これらの運動の違いは体内でATPをつくりだすために酸素を必要とするかしないかの違いです。よく誤解されるのが呼吸をするか、しないかではなく、あくまでも筋肉を動かすために必要なATPをつくりだす回路が酸素を必要とするかしないかです。

息を止めて運動することイコール、無酸素運動ではありません。
ダッシュなどの運動が無呼吸なのでそうした誤解が生じるようです。

呼吸により空気中の酸素を肺で取りこみ、血液内に私たちは酸素を送りだします。
ダッシュなど急激な運動の場合、回路的な問題で呼吸からの酸素供給をうける時間的余裕がないのです。無酸素状態でATPを作り出さなければならないのです。

いきなりダッシュで先頭が「キツイ」「つらい」「苦しい」のは当たり前

いきなりダッシュは無酸素運動です。この場合、筋肉内に貯蓄されていたグリコーゲン(糖)がダッシュによる運動のエネルギー産出回路・解糖系ATP合成が行われます。グリコーゲンは肝臓にも蓄えられていますが、肝臓に蓄えられたグリコーゲンは内臓を円滑に働かせるために主に使われます。

解糖系で使われる筋肉内のグリコーゲンは、少量です。すぐに枯渇してしまいます。

蛇足ですが、グ〇〇というお菓子の命名にはグリコーゲンが関係しています。(公式HPをみても、そう宣言しています。)
走るための、エネルギーの源がグリコーゲンという理由でしょう。
ただし、200mくらいが限度かもしれません。(体験的に実感しております。)

筋肉を収縮させるためのエネルギーである解糖系ATP合成がグリコーゲン枯渇のため出来なくなり、「キツイ」「つらい」「苦しい」といった状態となったのです。

では、楽に楽しく走るためにはどうしたらよいのでしょうか?

楽しく走れる秘密はニコニコペース

ニコニコペースとは福岡大学スポーツ科学部運動生理学研究所で長年スロージョギングという有酸素運動を研究された故・田中宏暁名誉教授が提唱された、楽に楽しく走れる最適な運動強度をいいます。

笑顔で会話ができるペースのことです。

歩く速さ(時速4~5km)でゆっくり走ることで体内に蓄積した脂肪を燃焼させてATP合成をすることができます。体内に貯蔵された内臓脂肪や皮下脂肪は大量にありますのでATP合成で原材料不足に陥ることなく楽に長く走ることが可能になるのです。

ニコニコペースで走ることでエネルギー不足に陥ることなく、楽に楽しく持久力を向上させることが可能になります。

週3回30分以上のニコニコペースでの走りを3週間継続してみる。

週3回、一回につき30分以上でのニコニコペースでのランニングを3週間継続することで楽に楽しく走れる体をつくることができます。

その理由は

有酸素運動を3週間継続して行うことで、毛細血管が新生されます。血液の循環が良くなり新陳代謝が活発になり疲れにくい体へと変化します。

結果、楽に楽しく走れるようになるのです。

まとめ

持久走が「キツイ」「つらい」「苦しい」のは走るペースが速すぎる証拠

歩く速さでゆっくり走る方法(ニコニコペース)で楽に楽しく走れるようになる。

週3回、30分以上のニコニコペースのランニングを3週間継続することで毛細血管が新生する。

 

参考 『スロージョギング入門』PHP文庫 田中宏暁


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