私は福祉施設で働いています。職場で専門の講師の方を招いてのアンガーマネジメント講座を受けました。アンガーマネジメントの基本「一次感情のコップ」についてご紹介します。
一次感情のコップとは
一次感情とは私たちが日常生活で感じるマイナス(陰性)感情のことです。「不安」、「心配」、「さびしい」、「悲しい」、「つらい」、「疲れた」、「困った」、「むなしい」といった感情です。
「心のコップ」がこうした一次感情でいっぱいになると人は怒りやすくなります。
日常的に一次感情のコップが一杯になりやすい状況があります。それは次のような場合です。
1.睡眠不足
睡眠時間が充分に摂れていない場合、仮眠、昼寝などを取り入れましょう。朝の日光を浴びると睡眠を促すホルモン「メラトニン」が分泌されます。そして朝日により体内時計をリセットできます。朝日をしっかり浴びて良質な睡眠を摂るようにしましょう。
2.経済的な不安によるストレス
金銭的な問題を抱えている場合、不安や心配が大きなストレスとなります。関係機関や信頼のおける人に相談してみましょう。
3.体調不良
病気を抱えていたり、体調がすぐれなかったりすると心のコップはすぐにいっぱいになります。病院などで治療・通院、安静をおすすめします。
4.空腹
お腹がすくと人間はイライラします。果物や野菜(焼き芋など)、保存料・着色料が無添加のお菓子などが胃腸にやさしくおすすめです。
お菓子は小麦粉を使ったクッキーよりも米を使った煎餅の方がカロリーが低めです。クッキーは乳製品や砂糖を使用していますのでどうしてもカロリーは高くなります。
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あなたの怒りは二次感情です
心のコップが「不安、恐怖、心配、疲労感」などの一次感情でいっぱいになると人は怒りを感じやすくなります。
逆にいえば「怒り」は「心のコップ」の状態に左右されるのです。
「心のコップが一次感情でいっぱい」→人は怒りやすく
「心のコップが空っぽ状態」 →冷静でいられる
つまり、人間は「出来事」に対して怒りを発生させるのではなく、心のコップの「状況」で怒りを発生させるのです。
その時の「状況」=「機嫌」に左右されるのです。
自分自身の一次感情のコップを大きくする秘訣
良質な睡眠時間を確保し、金銭的な心配もなく、病気や怪我もなく、おいしい食事がいただける生活では「怒り」を感じることは少ないのでしょう。
しかし、残念ながらそうした生活を送れる方は世の中では一部の富裕層以外は皆無と言って良いでしょう。(富裕層は富裕層で、別次元のストレスがあるのかもしれませんが。)
では?一次感情を心のコップに貯めないためには、どうしたら良いのでしょう。
水抜きをする
私の業務内容は福祉サービスです。レクレーション・食事介護・送迎サービスなどを行っています。
日常的にサービス内容に関して利用者や保護者からのクレームは多々あります。
保護者からのクレームに対しては「めんどくさい」などの負の感情はどうしてもあります。
そうしたクレームに対して有効なのが「なぜ、そういう事を行ったのか」「どういった効果をもたらしたのか」などを言葉できちんと伝えることです。そして、相手の怒りの感情に対して寄り添うように「そうですよね。あなたは、こうした理由で怒っているんですよね」などを「相手の怒りの理由を」言語化して伝えることが大事です。
相手の怒りの理由を言語化をすることで相手の気持ちが和らぐケースがよくあります。説明に対して相手が同意や共感をしてくれることで「心のコップ」から「めんどくさい」という一次感情が少なくなります。これが、いわゆる「水抜き」です。
そうした「心のコップから一次感情を水抜きする」ことで、心のコップの容量が大きくなり「怒りが発生しにくい状況に変化する」のです。
これが、アンガーマネジメントの基本となります。
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まとめ
◎一次感情とは私たちが日常生活で感じる「不安」、「心配」、「さびしい」、「悲しい」、「つらい」、「疲れた」、「困った」、「むなしい」といったマイナス(陰性)感情のこと。
◎一次感情のコップが一杯になりやすい状況には「睡眠不足」「経済的な不安によるストレス」「体調不良」「空腹」がある。
◎人間は「出来事」に対して怒りを発生させるのではなく、心のコップの「状況」で怒りを発生させやすい。
◎「心のコップから一次感情を水抜きする」ことで、「怒りが発生しにくい状況に変化させることができる」(アンガーマネジメントの基本)
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